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Club Spider's Line [ケイビング]

By Visper(CSLメンバーの小説家) 
蜘蛛の意図----貴方が掴むその糸は、一体何を結んだものなのか---
現在世界中に張り巡らされたINTERNETも、元は米国国防総省高等研究計画局のコンピュータを結ぶ一本のケーブルから始まった事を思いださねばならぬ。
NET(網)やWEB(蜘蛛の巣)がもてはやされるこの世紀末こそ、コミニュケーションの基本単位である一本の糸に回帰する時ではないか。
座りながらにして、ワンクリックで広がる電脳世界。そこは、形而上的にも形而下的にも既に異世界を構築しているといえる。細い糸で無限とも言える電脳異世界と繋がっている。
視覚による認識能力以上の世界に直面し、解析速度を上回る情報量に四苦八苦している現代人は、果たして母なるガイアとの対話をなし得たのだろうか。情報とはTEXTやJPEGによるものだけではない。InformationがIntelligenceとなりKnowledgeとなるためには、マウスの触感だけでは、不充分なのである。
糸は、PCとバックボーンを結び、人と人を結び、天と地を結ぶ。糸による相対的な繋がりがそれぞれのアイデンティティをより確固たるものにする。
WWWも無数の細い糸から成り立っている。その一本一本の糸に宇宙の神秘と真理が隠されているのである。情報過多の時代、種種のコミニュケーションデバイスが氾濫する時代。今こそ、一縷に目を向けようではないか。この一縷を知るものは全てを知るものである。
泥に塗れ、嬉々としてロープにすがり、更に深くガイアの体内に降りていく。狭き道を這い、登り、清涼なる洞内でカタルシスを実感しよう。そして再び地上に戻った時には、半ば懐かしく、半ば呆れたように下界の太陽を見上げようではないか。
真のサイエンティストたらんとする我々は、一本の糸にしがみつく。
まだ見ぬ未知の領域へ。信頼にたる糸を掴め。
勿論、カンダタのように釈迦の待つ極楽に登るためではない。むしろ降りる為にである。


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